5/5 埼玉武蔵ヒートベアーズ 11-0 栃木ゴールデンブレーブス(UDトラックス上尾スタジアム)
8連勝中の栃木に立ち向かう首位攻防戦は、エース小野寺が1点を守り切ってベアーズが完封勝ちした。
「こどもの日」のこの日は連休中でもあり、スタンドにも子供の姿が多く見られた。
ファンの子供たちが選手と一緒に登場するエスコートキッズや、ファンクラブ会員向けにカメラ席招待の企画もあり、多くのファンが試合を楽しんだ。
先発はエース小野寺賢人。前回登板では勝利したものの7失点と不本意な投球をしただけに、試合前から今日は絶対に抑えて勝つ、という気合いがにじみ出ていた。
「前回はコントロールがいいのが裏目に出ていた」というのはバッテリーを組む捕手の町田隼乙。
小野寺も「前回は長いイニングを投げようと意識したために、直球と変化球の腕の振りが違ってしまった」と振り返る。そうした反省を踏まえ、この日は腕を振ることだけを意識した。
初回を三者凡退、2回以降も隙の無いピッチングで0を重ねた。内野ゴロを多く打たせ、守備陣も堅く守り抜く。危ない場面はほぼなかったと言って良いが、相手の嶋田投手もランナーを出しながら要所を締めて、ベアーズに得点を許さない。緊迫した投手戦が続く。
均衡が破れたのは5回裏だった。先頭打者の9番上田大輝が初球を叩き、鮮やかに三塁打を放つ。無死三塁となったが、続く1番伊藤康人、2番清田育宏がいずれも初球を打って倒れた。バッターボックスに入ったのは3番金子功児。「初球を打つと決めていた。『自分が決めてやる』と思って打席に入りました」と笑う19歳は、最初の打席もヒットを打っていたが、「チャンスで打席に入るのは気持ちが違う」という。抜群の集中力を見せて放った打球はファースト横を抜け、値千金のタイムリーとなった。
1点をもらった小野寺は「もちろん完投するつもりで投げました。得点は前回たくさんもらいましたからね。1点でもありがとうです」とマウンドに上がり続けた。打者への対策と配球は町田に任せ、ひたすら腕を振り続ける。町田は「今日の小野寺さんもめちゃ調子が良かったです。栃木は去年からいる選手が多いので、抑えるイメージは出来ている。小野寺さんの投球がそのイメージ通りに来た感じです」とエースを賞賛した。
終わってみれば118球での2度目の完封勝利。4勝目を挙げ被安打4奪三振8と申し分ない内容だが、小野寺は「でも四球が余計でしたね。先頭だったし」と1個の四球を反省する。1-0の痺れる展開が続いたが、捕手の町田は「打たれたらどうしようとかいうのはなく、いい緊張でした」と振り返った。エースを信じ、8連勝中の相手を抑えきったバッテリーの勝利だった。