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9/27Wed2023試合情報

ベアーズ9年目で悲願のリーグ初優勝!

9/26 埼玉武蔵ヒートベアーズ 5-2 信濃グランセローズ(熊谷さくら運動公園野球場)

チームは満身創痍だった。戦力も整わない中、それでも強敵を上回ろうとする力が彼らにはあった。チーム創設9年目。ベアーズ史上最高のチームが、「リーグチャンピオン」という栄冠を掴み取った。

長坂の力投、上田・町田のホームランなどで圧勝した第四戦。リーグチャンピオンに王手をかけて迎える第五戦の先発は、技巧派左腕の武内風希だった。

初回先頭の古屋にヒットでランナーを出した武内だが、好フィールディングもあり、無失点で立ち上がった。対する信濃の鈴木駿輔は、北地区最強投手。伊藤康人が粘って四球を選んだものの、持ち味の速球とフォーク、クイックで後続を断たれる。

この日先手を取ったのは信濃の方だった。2回表、先頭の大川がいきなりレフトオーバーの二塁打。続く宇佐美は一ゴロエラーとなり、無死1、3塁のピンチを招く。一死を取ったものの、ジェス、田島にタイムリーを浴びて0-2とリードを許した。

その裏、ベアーズはすぐさま反撃。先頭の根井大輝がレフトへ二塁打を放つと、青木玲磨のバントを投手がファンブルし、無死1、3塁のチャンスとなる。続いて清田育宏の打球をショートがエラー。ベアーズが1点を返した。

武内は3回以降信濃打線に的を絞らせず、ヒットも散発に抑えて試合を作った。

4回裏、一死から清田がセンター前に運ぶと、続く町田隼乙もレフトへヒット。上田はニゴロに打ち取られるも、悪送球で併殺にはならず、二塁から清田が生還し、ベアーズがまたしても相手のミスで同点に追い付いた。

「行ける」という空気に、応援席も俄然盛り上がる。平日の夜だが、人は徐々に増えてきた。武内は6回のマウンドにも上がったが、大川に二塁打、永澤に四球を与えて一死1、2塁となったところで、ベンチは武内に代えて菅原宗一郎を送った。この日は西崎監督が不在。由規コーチは「緊張しました。今日のポイントはこの継投。もし代えなかったらジェスに打たれてたと思います」と振り返る。菅原はジェスをセンターフライ、山崎をニゴロに打ち取り期待に応えて見せた。

流れを渡さなかったベアーズは、6回裏に鈴木を攻める。2四球でランナーを出し、チャンスで回ってきたのは、またも上田大輝。前日の殊勲打を放った上田が鈴木の直球を弾き返して2点タイムリー。一気に三塁を陥れた。さらに伊藤康人がタイムリーで畳み掛ける。この回3点を挙げたベアーズが、5-2とリードを奪った。

ベアーズはここから必勝リレーに入る。7回を倉橋瞳人、8回を辻空。DHも解除し、必ず9回で終わらせる布陣だ。満を持して、9回のマウンドには小野寺賢人が上がった。ジェスにヒットを打たれたものの、その後は危なげなく抑えていく。最後の打者となる古屋のバットが空を切り、その瞬間に埼玉武蔵ヒートベアーズのBCリーグ初優勝が決まった。

CSの始まる前には力の差もあると思われた両チーム。しかし今シーズン見てきたように、投打の噛み合ったベアーズは強い。シーズン終盤の勢いそのままに、自信を持って王者にぶつかっていき、全員野球でリーグを制した。

角晃多球団社長

「途中で流れがこちらにあったから、まぁ負けないだろうな、という空気でしたね。信濃は全然上ですけど、勝てたのは勢いもあるし、向こうの方が怖さを知っているというのもあったかな。上手くはまったんじゃないですか」

片山博視監督代行

「西崎監督がいないから負けた、と言われるのはちょっと嫌だったんで勝てて良かったです。相手のミスでもらった点もあるけど、上田のタイムリーも出たし、力はついたんだろうなと思いました。勝因は初戦じゃないですか。長時間やって勝ち切ったことが自信になった。こちらが有利に運べました。(MVPを選ぶとしたら)町田じゃないかな。うん町田。ピッチャーをよく引っ張ってくれました」

根井大輝(キャプテン)

「嬉しいです。信濃は強かったですけど、負けるイメージはなかった。多分シーズン後半から、点を取られても逆転して勝つことが多かったので、みんな負けるイメージなく試合が出来てたと思います。チャンピオンシップは勝っても2試合ですね。また総力戦で頑張ります」

武内風希(先発5回1/3)

「焦るとか平常心でいられないのは信濃側なので。僕はいつも通りにやれることをやって、自信を持ってマウンドに立つことだけでした。6回は投げきりたかったですけど、先発の仕事は出来たと思います」

上田大輝(勝ち越しタイムリー)

「(鈴木駿輔について)基本的にまっすぐが速いので、低めの変化球の見極めの部分ですね。その前の2打席はフォークにやられて全然だったんですけど、ちょっと開いていたのは修正して、外のまっすぐを待ってアウトローが来たので打てました。めちゃめちゃ嬉しかったです

小野寺賢人(地区優勝に続いて最後を締める)

「リードしたら最後に投げるっていうのは決まってました。プレッシャーは特になかったです。3点あったんで。(最後を三振で決めた)三振はとれるときはいつも狙ってるんで、最後だからどうこうというのはないです。(BC選抜へは)多分明日行きます」

清田育宏

「みんなが頑張って優勝出来たのでとても嬉しいです。しっかりした野球が出来たのと、結果を恐れずにみんな楽しんで出来た。ミスもありましたが、一人一人が成長したんだなというのを実感しました」

町田隼乙

「このシリーズ長かったので、早く決めたい、この試合で決めたい、という思いがあったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。2回目だったし、しかも三振で決まったんで。今日は失点されてもそんなに打たれてではなかったので、ベンチでもすぐ返そうって切り替えも出来て、すぐ1点返したのでずっとイケイケでした。自分では北地区の動画も見て研究もしてたので、うまくいってすごく嬉しかったです。(グランドチャンピオンシップは)全国大会みたいなのが初めてなのでドキドキしてます。すごく楽しみです」

(写真:中原写真事務所)

(記事: HISATO)

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